湿度と身体の関係
こんにちは、虹いろ鍼灸院の冨田です。
梅雨に入り、雨が降る日が多くなりそれと共に湿度も日に日に上昇し蒸し暑い日が増えてきました。
今回は海に囲まれ気温も高い日本特有の湿度について考えてみたいと思います。
1.日本の湿度
寒暖の差を感じる指標の一つとして湿度は大きく関係しています。
「湿度」は一定の空気中に含まれる水蒸気の割合(空気の湿り具合)を示す。
この水蒸気が含まれる量は温度によって限界があるため、この「飽和水蒸気量」と空気中の水蒸気量を元に%で表しています。気温が高くなるほどこの飽和水蒸気量も増えるため仮に同じ湿度の場合でも気温の高い夏と気温の低い冬では実際の水蒸気量が異なり、夏はジメジメしていて、冬は乾燥しているように感じるのはこのため。
2.湿度と汗の関係
湿度が私たちの身体に大きな影響を及ぼす一つが汗。
汗には皮膚表面から蒸発される際に気化熱として熱も一緒に放出され、身体を冷やそうとする生理作用があります。
汗を良くかく人は代謝が良い。汗がかけない人は代謝が良くないと代謝の目安としても上げられます。
ところが、気温が高い夏は身体の熱を冷まそうとして汗をかこうとしますが、湿度が高すぎると汗が蒸発されにくい状況が続いてしまい、身体に熱がこもり熱中症のような症状を引き起こしやすくなります。
このような環境が続くと発汗の調節を行う自律神経にも影響を及ぼしやすくなり、体温調節や不快感など起こします。
ついつい最高気温に注目が集まりがちですが、熱中症対策として湿度には注意が必要です。
またそのほかにダニの繁殖によるアレルギー症状も生じやすいです。
カーペットや布団、畳など屋内の中で気温と湿度が高い場所を好み生息します。
湿気の溜まりやすい場所は定期的に換気による空気の入れ換えを行いつつ、ダニの繁殖を防ぐには湿度をできるだけ50%以下に保つよう心がけましょう。
3.東洋医学的においての「湿」
季節が身体へ影響を与える気として六気「風・暑・火・湿・燥・寒」という考え方があります。
湿の特徴としては水様の性質を持ち、一方で粘着性で身体の下方へ流れ停滞しやすい事があげられます。
身体が「湿邪」に犯されると足の浮腫や足腰の重だるさ、下半身に症状が集中するなどの症状が起きやすくなります。
そして湿と関係の深い臓腑には脾胃が上げられます。
「脾は湿を悪む」とされ、身体の中に消化吸収されない水分が多くなるとそれが痰飲(湿邪)となり脾胃の働きを低下させてしまいます。冷飲食の取り過ぎにはくれぐれも注意してください。
4.身体への適応方法など
・快適と感じる湿度は40~60%です。日中過ごす時間の多い場所には湿度計などを置いて快適な環境を保てるように気を配ると良いでしょう。
・汗を乾いたタオルなどでこまめに拭き取り、身体に熱がこもらないように汗の発散による熱の放散を促してあげましょう。
・冷たい物を取り過ぎお腹が冷えた後はお臍周囲をホットパックなどで部分的に温めてあげて胃腸の働き低下を予防しましょう。
他にも湿度は適度であれば、喉の乾燥を防ぎウイルスの増殖を抑制したりと、私たちの生活に密接に関わっています。
自然がもたらす気候の変化に身体が対応しやすい環境作りや工夫をしていきましょう。