毎日の健康チェック➁~舌~
こんにちは。虹いろ鍼灸院冨田です。
前回は舌について色の変化と身体の状態についてお話ししましたが、今回は舌の形状の変化について主に4つのタイプをまとめてみました。
➀列紋舌
表面にひび割れの様な線が無数に入っている。
これは身体の潤いが足りない水分(津液)が不足している状態「陰虚」タイプ。
特に舌全体や先の方が他と比べて赤くなっているときは身体に余分な熱が多くなりがち。症状としては頸肩周りの筋肉が緊張して硬くなり唾液が分泌されにくく、喉の渇きや冷たい物を欲するような訴えが多くなります。
またアルコールやカフェインの多い飲み物を取ることで生じる水分不足も気づかないうちに起こっている人もいます。水に比べると消化活動が生じ吸収にも影響が出やすいため、出来るだけ水か白湯を摂取することがお薦め。白湯などで身体の中から水分を潤しつつ全体の水分代謝を促すことが必要。頸肩の緊張も余分な熱が抜けると楽になります。
➁胖大・歯痕舌
舌が膨張するようにぼてっとして広がり、その周囲に歯型がついている状態「陽虚タイプ」。
身体に余分な水分が多くなり、舌の色も全体的に白っぽい状態でエネルギー(気)の不足をあわらします。特に消化吸収の胃腸の働きが低下して、舌の筋肉を引き締める作用が低下している。膨張した舌が下の歯に押しつけられる状態が続くと歯型がつき、倦怠感・寝不足・息切れといった症状が生じやすい。
果汁100%ジュースと数%のジュースを思い浮かべて頂ければ想像しやすいと思います。血液はなるべく同じような働きが出来るように保つ働きがありますが、血液中や身体の水分が多くなると純度が異なり正常な働きが出来なくなってきます。胃腸での消化吸収作用が低下していることが多く、これらの機能を一時的に休めたり、高めるような意識が必要です。
➂苔剥離
舌全体の苔が所々剥がれている状態。
舌の表面の苔は本来自然に現れ、薄く白っぽい苔が出ていれば、胃の消化吸収や免疫力がよく働いていると言えます。しかし、生活習慣の乱れ(寝不足、過労、過食など)や食習慣(刺激物が多い、嗜好品の取り過ぎ、栄養の偏りなど)が原因で免疫力が低下すると所々剥がれさすい。また元々体力が少ない場合や体力があっても無理をして疲労が激しい場合にも起こる。
1日3食摂取していても肉ばかりやビーガンのような野菜ばかりで栄養が偏るのは良くありません。5大栄養素からまんべんなく摂取する事を意識した食事を取り、休養をこまめに取る事が第一になります。
➃静脈怒張
瘀血といわれ、代謝されない古い血液や老廃物が多く血流が滞っているまたは血液が汚れている状態。
「瘀血」タイプ
汚れているところを掃除して綺麗にしようとしているのに最後泥水をかけて流しても汚れは落ちずに残ってしまいます。これと同じような状態が身体でも起きていると考えられる。
「全身を栄養したり老廃物を流すはずの血液にゴミや余分な物多い」とどうでしょうか?
慢性的な痛みや血管系の病気の原因になります。冷えると余計に血管が収縮しやすくなるため温めながら血流促進をしたり、食事・睡眠・運動を含めた生活習慣の大幅な改善が必要になってきます。
様々な舌の形状や状態の変化について取り上げました。前回の色に加えて観察することで身体の状態を把握して日常生活で気を付ける点なども知ることが出来ます。
東洋医学には病気になる前に治す。「未病を治す。」という考え方があります。当てはまるものがある場合で身体の症状も伴っている場合は日頃の習慣を見直すきっかけにして頂けたらと思います。毎日のセルフケアやチェックにお役立て下さい。